暑さは工事に悪影響!?
さて、大規模修繕工事計画を進める中で、「暑い時期の大規模修繕工事は進めて良いのですか」、「工事を進める持期は、暑い時期を避けた方が良いのでは」、とのご意見をたまにいただきます。
最近は、材料もかなり研究開発されておりますので、一般地域においては、時期はあまり
気にされないで良いと考えます。
また、特記仕様書などにおいて、工事の作業を中止する条件を以下の通り、定めていますので、悪条件の中での作業はできません。
作業の中止
全ての作業に於いて、下記の場合は関係する作業を中止するか又は、一時中断する。
1)作業場の気温が3℃を下回る時及び、40℃を超える時。
2)被塗面又は被着体面の温度が50℃を超える時又は、被塗面等に泡を生じる時あるいはその恐れがある時
ただし、最良の条件において、工期を検討されるのであれば、春か秋で設定する方が良いでしょう。
話は変わりますが、気温に関係する問題の一つをお話しします。
外壁のタイル貼りに大きな面積の浮きが発見されることがありますが、その原因がなにかを見分ける問題として以下の点を考えます。
①環境条件の問題 日当たりが良く、寒暖の差の大きい場所など
②計画上の問題 大きな面積のタイル面、伸縮目地のないタイル面など
③施工不良 タイル下地の目荒し不良、工事を急ぎ悪条件の中での施工など
この問題で考えられる原因の一つとして、コンクリートとタイルの材質の熱膨張による
材料間の伸縮差が発生し、浮きが発生することが考えられます。
その面積が大きいほど伸縮差が大きくなり、ずれが生じると考えられます。
そのため、伸縮目地を設け、ずれを少なくする計画を行います。
そのことから、上記の①②から問題を引き起こすと考え、発生した場合の現場のチェックポイントとしています。
③は外壁タイルを剥がしてその状況を確認しなければならず、状況確認では判断できない場合が多いです。
したがって、現場確認でわからない場合は、大規模修繕工事に着手後に確認しています。
気温から影響する工事の問題は、他の工事内容の場合にもありますが、それは次の機会
にお話したいと思います。

壁

A様はご夫婦でゴルフを趣味にされており、引渡しが終わった数日後、お誘いを受けてゴルフをご一緒しました。
奥様は女性にしては実にパワフルで安定したプレイをされます。また、それ以上にA様は精度の高いボールコントロールで76というスコアでラウンドされました。
私もかなり頑張ったのですが、A様には5打及ばずの大差で敗北です。
ゴルフには壁があります。
100台と90台の壁、90台と80台の壁・・・
中でも強烈に高い壁が80台と70台の壁です。この域になると1打のミスが大きく響き、中々越えられない高い壁となるのです。
ゴルフはある意味、如何にミスを減らせるかというスポーツです。
例えば、80台のプレイヤーはその大半を80台でラウンドしますが、ミスが重なれば90を越えることもあります。逆に、120点の奇蹟的な成果と運が得られなければ70台を出すことは困難です。
「施工会社と同じだね。」
A様は冗談交じりに笑い、私はただ微笑みで返しました。
A様のマンション大規模修繕工事は今回で2回目でした。
最初の修繕は右も左分からず、知人の小さな会社に依頼したそうですが、修繕が進むにつれて追加、追加と費用がかさみ、また、居住者とのトラブルも重なり、結局高いものについたと嘆いていました。
修繕工事は施工精度も大切ですが、同じくらい住民との調整・調和能力が必要で、その両方を兼ね備えた施工会社に依頼するのが理想です。
A様以外は賃貸人の当該マンションですらそういった調整・調和が必要なのですから、全員が所有者である分譲マンションならば、余計に調整・調和能力を求められます。修繕工事費が1億円規模ともなれば、70~100世帯の所有者との調整・調和が必要となり、それは10~30世帯の経験値とでは比較にならないのです。
1、2千万円規模の施工費修繕が主な会社では5千万円規模は荷が重いし、5千万円規模が主な会社では1億円規模はやはり荷が重い。
即ち、自身のマンション修繕工事費を鑑みて、同等額かそれ以上の経験値を有する施工会社を選ぶことがより良い選択です。常に120点の成果が出せるとは限らないのです。
それを今回の修繕工事で身を以て理解したA様は、私との間にあるスコアの壁を皮肉ったのです。
私は返す言葉もなく微笑むしかなかったのですが、来年の定期点検の立会い、そして次の修繕のコンサルも頼みたいとのお言葉に、A様の満足と温かみを感じました。
アットホームな新年会(#^^#)
イタリアンのお店で美味しくてボリューミーだと聞いていたので、食べることが大好きな私は、その日は朝と昼の食事はあっさり軽めに済ませて夜のイタリアンに備えました!
実は、阿佐ヶ谷駅に降りるのは初めてでした。駅前のとても綺麗なイルミネーションに気持ちが高ぶってきました。
お店に入ると、美男美女のとっても素敵なご夫婦と可愛らしいお嬢ちゃんが出迎えてくれました(*^^*)
まずは窯焼き塩パンの大きさに驚き、食するとフワフワもっちりでまたまた驚きました!
パンに感動しまくり、写真を撮り始めました。
同じテーブルの皆さん、ご協力有り難うございました。
予想以上にボリューミーなお料理で、そしてどれもこれもご主人のお人柄が表れている優しい味で和みました(#^^#)

お店の雰囲気が良くて心地良かったです。
お初にお目にかかる方が多かったのですが、お陰まで和気藹々と3時間食べて飲んで楽しいひとときを過ごすことができました。
心から、有り難うございました。そしてご馳走様でした(*'▽')
また是非行ってみたいお店です。
次はピザを食べてみたいです。
また連れて行って下さ~い('ω')ノ
(事務N女性)
元気の源
順番で回ってきました。
昨年12月の事ですが、嵐のライブに行ってきました。
ファンクラブに入っていてもなかなかチケットが手に入りません。この年もすべての抽選に落選して号泣しました。
でも有り難いことに同じ相葉くんのファンのお友達がチケットを譲ってくれたんです!
相葉くんのBirthdayの日と東京公演最終日のチケットだと知り、嬉しくて有り難くて心から感謝の気持ちでいっぱいになりました。
お友達いつもほんとにありがと~!!(*^_^*)

ライブはオープニング前から言葉に出来ないくらいの超ミラクルな感動があり、既に号泣。とっても素晴らしいパフォーマンスに魅了されました。元気と感動をありがとう♪
今年も相変わらず、大好きな相葉くんを応援して元気をもらってお仕事頑張ります(^_^)
(事務N女性)
今年の干支
草木でたとえれば、酉年で栄えた草木が滅びた後で、草木などが将来的な成長のために力を蓄え、新しい芽吹きへとつながる大切な年ということです。

今年は、干支の意味のごとく、着実に一歩一歩、次の大きな成長へつなぐための基盤作りになる様に考え、取り組みたいと考えます。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
水上コテージ
あまりにも美しい画像だったので、お客様から頂きました。南半球に位置するボラボラ島の水上コテージだそうです。

ドーナツ状の内海に建ち、その水深は2mほどで、泳げば自身の影が海底に映るほど澄んだ海だそうです。
何と幻想的でしょう。浮世離れした別世界にしか思えません。
今やデスクトップの背景画像に利用させて頂いています。
そこでフッと思ったのですが、汚水・雑排水はどうしているのでしょう?
こんな綺麗な海に垂れ流しているわけはないだろうし、第一そんな状態なら幻滅です。屋内に一時溜めておくのでしょうか?
そんなことに疑問が沸くのは職業病ですかね・・・
調べてみると、なんてことはない。下水管が海中を走って陸地まで続いているようです。
ただ、結構な距離ですよね。排水詰り等の障害はないのでしょうか・・・
これは、打診棒片手に現地調査が必要かもしれません。(笑)
因みに、地球は太陽の回りを楕円を描いて公転しています。太陽に最も近い距離は、遠い距離と比べて太陽3コ分以上、地球にすると400コ以上近いのです。この差で夏と冬があるような誤認が見受けられますが、正解は地軸のズレにあることは承知のことでしょう。
ですが、日本が冬の時期に太陽に近づくのであれば、南半球は夏、しかも太陽3コ分以上近い熱量を受けるのですから激熱ですね。
きっと、少しのつもりで直射日光の元でうたた寝でもしたら、大火傷間違いなしでしょう。
それも含めて、これは是非とも現地調査なのですが・・・
世論、いや会社が許しませんね。
高校受験
いよいよ来週月曜日に私立本番。
3月には公立試験。
希望校は倍率が去年よりだいぶ上がっていました(汗)。
今いろいろと大変な時期ですが
娘自身は
見てると切羽詰まった感もなく
飄々としています。
(決して成績が余裕な分けではないです(汗))。
親としては今更何ができるわけでもないので
健康状態は気を遣わないといけないかなと思います。
改めて、子供の教育って大変だなあと思います。
春には吉報が届きますように。
(N.H)
自宅マンション2年メンテナンス
私もマンション住まいですが、2年ほど前に大規模修繕工事を実施しました。
自宅ですので、私も一般住民として工事を経験しました。
でも昼間は仕事に出ており、工事中は家にいることは出来ませんから、実際どのような工事が行われていたかは、ほとんどわかりませんでした。
こう考えてみても、工事監理をしっかりとした目で見てもらうことは重要なことだとつくづく思います。

2年目となりますと、住民の皆さんもあまり関心がなくなっているようですが、私は職業柄、あれやこれや目についてしまうので、共用廊下排水溝ウレタン防水のちょっとした凹凸を補修してもらいました。
ウレタン防水も防水材としてよく使われていますが、水の力は侮れません。水が滞留すると小さな隙間から雨水が浸入しますので、皆さんも建物の細かいところを気にかけてみてください。
マンション維持修繕技術者
去る1月29日、マンション維持修繕技術者の試験を受けて来ました。
マンション維持修繕技術者資格は、大規模修繕に関わる者にとっては一級建築士免許、マンション管理士資格に次ぐ重要な資格です。合格点のボーダーは毎年違いますが、概ね80~90点です。
この資格の勉強方法は、マンション維持修繕技術ハンドブックと称するハンドブックをひたすら読破し、表や図解まで全て頭に叩き込むことなのです。
しかしながら、このハンドブック。価格は1万800円と高額で、ハンドブックと称しながら、900ページ近くある辞典並みに分厚い文献です

ハンドブックですよ。ハンドブック・・・
イメージとしては、通勤時にサッと開いて読み込むつもりでいたのですが、とてもそうはいきません。持つだけで、よっこらしょみたいな感覚で・・・
悩んだ末、泣く泣くその1万800円の本を4つに分割します。
カテゴリーに分けて裂いたので、100ページ程度のパーツもあれば、300ページを超えるパーツもありましたが、何とか持ち歩いて、一ヶ月を少し越える時間で読み切りました。

この時点から過去問題の反復を開始します。といっても過去問題に解説が無い為、解らない問題、間違った問題は、そのハンドブックを頼りに自分で調べなければなりません。
仕事を終えて帰宅し、これに取り掛かることはかなりの苦痛で泣きそうでした。何度投げ出したいと思ったことか・・・
しかも、土曜日曜と理事会様との打合せや、説明会が入っているので丸一日を通しての勉強は出来ません。優先事項は勉強ではなく、あくまで仕事ですから本分を全うするしかありませんが、この時期が正に地獄でした。
唯一の救いは、普通の方には暗号にしか見えないだろう“ピンニング”だとか“アノード”などの技術的な用語や施工方法は、現場に出ているので理解できることが幸いでした。
現在、正式解答は発表されていませんが、巷に溢れる解答速報で答え合わせしてみると今のところ88~90点です。
合格発表は2月24日です。
外部仕上げって何のため
MDSの牛嶋です。

鉄筋コンクリート造の建物では、一般的にコンクリートの外壁を塗装材やタイル等によって仕上げを行います。これは、建物のデザインや見栄え上にも重要なことですが、実は基本的に重要な意味があるのです。
改めて考えれば当然のことですが、塗装材やタイル等の仕上げ材は躯体コンクリートの劣化を保護しているという重要な役目があるのです。
コンクリート躯体は、ひび割れ等から水や大気中の炭酸ガスの影響を受けてコンクリートが中性化したり、中の鉄筋が錆びたりして、劣化していくのです。
従って、仕上げ材の劣化により建物外観の見栄えが悪くなっていくということと併せて、躯体コンクリートに対する保護力が落ちているということになるのです。

そうすれば、建物の寿命は概ね60年以上の長寿命化が計れ、仕上げと併せて住環境の改善が出来ることになります。
そういう意味で仕上げ材を捉えれば、修繕に使用する材質や既存仕上材との適正等が重要になってきます。
私達MDSは、既存材料の確認と、修繕材料との相性等を判断して、管理組合の皆さんに解り易くご説明した上で改修計画を行うように心がけています。
見た目が変わる? 変わらない?

たとえばマンションの外壁が塗装仕上げの場合、新築時のオリジナル色で塗装し直すこともありますし、あえてオリジナル色ではなく、新しい塗装色を提案することがあります。もちろん居住者の皆様による合意形成が必要です。理事会や修繕委員会の独断ですすめてしまうと、「もともとの色でよかったのに!」と言われかねません。そうならないためには、事前に複数案の「完成予想パース」を掲示して人気投票を行ない、候補案が決まったら色見本サンプルを掲示したり、実際に外壁の一部を試験施工して、居住者様に最終確認してもらう等の段取りが必要です。そのようなプロセスを行なうことは、一般の居住者様にも、大規模修繕工事に参加しているという意識がひろがる利点もあります。

最後に、戻さない方が良い例を紹介します。たとえば外壁などに、御影石調に見える特殊な厚塗り塗装が施されている場合です。厚さ1センチ以上、重さも100kg/㎡近いものがあります。大規模修繕工事に際して、まったく同じ仕様で塗装すると、塗膜層はさらに厚く、重くなり、それだけ建築の構造体に負担がかかります。メーカーや商品にもよりますが、重ね塗りは2回(新築時と第1回大規模修繕工事)が限度で、3回目(第2回大規模修繕工事)を行なうためには、事前に1~2回目の塗膜を剥がさないといけません。当然コストもかかり、おすすめできません。3回目は確実に来るのですから、2回目に際して、より薄塗りの何回も重ね塗り可能な塗料を選ぶのが賢明です。しかし厚塗りタイプと薄塗りタイプでは、見た目が変わります。一般に厚塗りタイプの方が重厚で高級感がありますので、この点に関しても、どのような理由で新築時の仕様に「戻さない方が良い」のかを、居住者の皆様に説明することが大切です。居住者様のご意見はさまざまなので、着工直前ではなく、ある程度は話し合いができる期間を設定するべきでしょう。
マンションの居住者様の多くは、大規模修繕工事によってすべて新築当時の状態に戻るはずと予想されていると思います。しかし実際には上記のように、「戻せるけど戻さない」、「戻したくても戻せない」、「戻さない方が良い」要素がいろいろと発生します。「もともとの方がよかった!」という声があがるのも、そのような要素に集中します。しかしマンションの仕様はさまざまなので、どんな要素が発生するのかは、物件ごとに異なります。事前調査でそのような要素を検証し、適格な提案を行なうのも、大規模修繕コンサルの重要な役割です。もちろんその役割を果たすためには、充分な経験とともに、つねに細部まで注意を払う情熱が不可欠であると思います。
出だしが肝心

さらに工事が進むと、躯体を補修する音、浮いているタイルを剥がす音などが、アンカー打ち込み以上に大きい音が、しかも長期間発生します。もちろんホコリも発生するので、窓は開けられません。「着工前の説明会で話には聞いていたけれど、ここまで大変だとは予想しなかった」ということになりがちです。
けれど工事している施工会社にとっては、いつもやっている当たり前の工事です。もちろん迷惑をかけようと思っているわけではありません。居住者の皆様のために少しでも良い工事を行なおうと頑張っているのです。
あるマンションの大規模修繕工事で、施工会社が当初は想定していなかった資材の仮置き場の設置や、屋上へ資材を荷揚げするためのエレベーター使用を理事会に要望しました。当初はマンション前の道路にトラックを停車させ、足場に設置したウインチを使って荷揚げする予定でしたが、前面道路の交通量が多く、着工してからの追加要望となりました。しかし理事会はなかなか認めてくれません。居住者全員を対象とした着工前説明会では、要望がなかったからでした。当然認めてもらえるだろうと考えていた施工会社は、居住者の皆様のために工事しているのに、どうして認めてもらえないのだろうと不満に感じたかもしれません。
着工前説明会でひと通り説明を行なったとしても、実際に着工すると多少の追加・変更事項が生じます。また居住者の皆様にしても、説明を聞くのと実際に体験するのは大違いです。着工前説明会では施工会社ができるだけ具体的に説明を行ない、居住者の皆様との質疑応答も含めて、お互いの理解度・信頼度を高めることが重要です。逆に着工してすぐに問題が発生し、理解不足による不信感が芽生えてしまうと、お互いにストレスがたまり、工事そのものも満足できないものとなる危険性があります。

そのために監理者は、そのマンションではどのような問題が起こりそうなのかを、事前に察知する必要があります。けれどマンションにはひとつひとつの個性があり、同じものは二つとありません。そのマンションを隅々までよく調査し、起こりうる課題を整理するためには、監理者としての充分な経験と熱意が必要です。よい監理者とは、そのような経験と熱意がある監理者であると思います。
はじめに
(株)MDS代表の村上です。
私達MDSのスタッフが、これまで経験してきたマンション大規模修繕の設計コンサルティングに関して、理事会や修繕委員会の皆様に、現場の生の声をお伝えしていくために「スタッフ便り」と題して、ブログをスタートしました。
内容は、大規模修繕のコンサルティングに関するものや、使用する材料や工法の話、また、実際に弊社スタッフが担当した工事監理において体験した事柄をお話していく予定です。
現在、お住まいのマンションの大規模修繕をお考えの皆様の参考になればと思います。
これまで担当させて頂いた、3回目以上の大規模修繕を行う築年数のマンションの管理組合の皆様の純粋な疑問は、今回は大規模修繕を行うけど、果たしてこのマンションは、あと何年持つのかということです。実際にこの件での問い掛けも多くいただきます。
そこで、第1回目は「マンションの寿命」についての話です。
鉄筋コンクリート造マンションの「寿命」に関しては、明確な基準はありません。ただ、「耐用年数」という考え方にはいろんな側面があります。先ず減価償却上の法定耐用年数は60年(築年度に拠り47年)という基準があります。しかし、これは経済的な側面からの基準でしかありません。
一方、物理的な側面からは、コンクリート強度による供用限界期間は、24N/m㎡で100年、18N/m㎡で65年とされています。また、日本建築学会が定めた耐久設計基準強度では、18N//m㎡で30年、24N//m㎡で65年、30N//m㎡で100年の間大規模修繕が不要とされています。
JASS5鉄筋コンクリート工事計画で定められた計画供用期間の級
耐久設計強度 | 計画供用期間の級 | 大規模修理不要期間 | 供用限界期間 |
30N/mm2 | 長期 | 100年 | - |
24N/mm2 | 標準 | 65年 | 100年 |
18N/mm2 | 一般 | 30年 | 65年 |
但し、3回目以上の大規模修繕対象の建物は旧耐震基準で設計されているものが多く、構造体の耐震性能という立場に立って考えると、一度耐震診断を行い耐震性能を確認し、若し耐震性に劣る部分が有れば、耐震補強を行い構造躯体の維持を行う必要が有ると思います。
また、構造体の耐用年数よりも早く問題になるのが、設備機器や配管の劣化、また社会的な変化に拠る設備の陳腐化という事態です。これらに対しては、定期的な保守点検を行い、計画的な修繕や改良工事を住民合意の下に行っていく必要があります。また、これまで日本では「スクラップ&ビルド」の考え方が主体で、適切に修繕して永く使い続けるという視点が弱い面が有りました。また、マンションそのものが約50年余の歴史しかなく、寿命がきて建替えるという段階に来ていません。実際に建替えが行われたのは 、バブル期の地価高騰時等に事業的な視点での建替えがほとんどだと思われます。
ところが、この50余年目になり、今まさにマンションの寿命と建替えという問題に直面せざるを得ない時期に差し掛かってきて、冒頭の皆さんの疑問が沸き起こってきたと言っていいでしょう。
ただ、マンションの建て替えについては、現状では非常に難しい状況です。マンションの建替え決議を行うこともそうですが、何より建替え資金が大きな問題となります。容積率に余裕が有るようなマンションはほとんどありませんので、市・区によって容積率の上積みの見直しや、総合設計制度による容積緩和を受けて余剰床・保留床の確保が出来ればまだ可能性もありますが、それにしても各区分所有者の資金や仮住まい等の負担は大変です。景気状況や高齢化に伴い建替え一時金の負担は非常に難しいと思います。
以上のことから考えても、計画的で適切な修繕・改良と維持管理による「マンションの長寿命化」を目指すことが良いと考えます。長期修繕計画を基に保守点検を行い、適切な時期に適切な修繕や改善工事を行うことで長寿命化が計られると考えます。そして建物の劣化度合いを判断し、併せて経済状況や建替え等の法的緩和等の状況判断を行い、構造体も含めたリニューアルや、最終的な建替えの判断の段階に行くことになると思います。
「マンションの寿命」は、基本的にはそのマンションの住民と管理会社そして、我々設計コンサルタントのアドバイスにより創り上げるものではないかと思います。
大規模修繕工事の話
しかし得られる情報は、専門用語が多かったり、対象が技術者向けだったりするものが多く、実際にマンションに住んでいる居住者を一番の対象にしたものをあまり見かけませんでした。
いろんな種類の工事が行われることは解るのですが、それが、マンション居住者にとって、どういう意味と影響があり、どういう我慢と辛抱が求められるかという視点の説明が不足しているような気がしていました。
そこで今回、マンション居住者の皆様にとって大規模修繕工事がどう関わってくるのかという視点で、工事項目ごとに工事の流れに沿ってお話します。
・・・予定・・・
N0. 1 養 生
2 足 場
3 劣化調査(1)
4 劣化調査(2)
5 下地補修(1) ・・・タイル割れ補修
6 下地補修(2) ・・・タイル浮き補修
7 下地補修(3) ・・・Uカットシーリング
8 下地補修(4) ・・・セメントフィラー擦り込み
9 下地補修(5) ・・・爆裂補修
10 シ-リング(1)
11 シ-リング(2)
12 洗 浄
13 塗装工事(1) ・・・鉄部塗装
14 塗装工事(2) ・・・一般外壁塗装
15 塗装工事(3) ・・・軒天塗装
16 塗装工事(4) ・・・その他の塗装
17 防水工事(1)-1・・・改質アスファルトシート防水(絶縁工法)
18 防水工事(1)-2・・・改質アスファルトシート防水(絶縁工法)
19 防水工事(2) ・・・ウレタン塗膜防水(通気緩衝工法)
大規模修繕工事の話(養生)
「養生」について
養生とは、工事資材の搬出入時や作業中に、主に建物内の床・壁やエレベーターなどが傷ついたり汚れたりしないように、ベニヤ板やシート等で保護することです。
実際の工事に着工する前に、最初に行う作業になります。
「これから竣工までの数ヶ月間、施工者と居住者で協力して工事を進めていきましょう。」

エントランスからエレベーターホール廻りは、
工事資材の搬出入や作業員の通行により、
内装が傷ついたり汚れたりしないように、
床や壁をシート等で覆い保護します。

工事資材の搬出入に、エレベーターを使用する時に、
傷つけたり汚したりしないように、エレベーター
内部の床・壁や入口枠をプラスチックの板や
テープ等で覆い保護します。

外壁の塗装工事やタイルの貼替え工事等で発生する
塗装や細かなコンクリートくずの飛散により、
アルミ手摺の表面が傷ついたり汚れたりしない
ように、手摺の上面に養生テープを貼って保護します
大規模修繕工事の話(足場)
「足場」について
足場とは、高所作業を安全に行うための作業床や通路のことです。作業員の足掛かりとなるだけでなく、危険物の落下防止などの役割も果たします。
「この作業中は、近づくと危険ですので居住者の方にもガードマンの誘導に従っていただくようにお願いします。」

建物の形状及び作業計画に合わせて足場を組み立てます。
工場で一定の枠に加工した鋼管を現場で組み立てる
枠組足場と鋼製の単管(パイプ)を組み合わせる方法が
一般的です。この際、居住者の方々が安全に
通行できるような通路を設けます。

居住者の方々の外部への出入口の上部は、
粉塵や細かなコンクリート屑等の飛散に備えて
合板等で覆い、安全に通行できるようにします。

足場組みが完了すると、外周に沿って小さい穴の開いた
メッシュシートという養生シートを張ります。
工事中の塗装や粉塵の飛散防止の役割を果たすとともに、
居住者にとっての圧迫感を和らげるためでもありますが、
やはり、少しの我慢が必要かもしれません。
大規模修繕工事の話(劣化調査その1)
「劣化調査」について
劣化調査とは足場が組み終わると、外壁の劣化状態(タイルや塗装面の浮きやひび割れ等)の調査を目視、触診や打診等により行います。足場がないと正確な調査が出来ないため、この時点で行います。
「この調査により見積書の数量が確定され、工事費の実数清算が行われます。」

打診棒による打診音の変化を聞き分けて、
モルタルやタイルの浮き等の劣化状態と箇所を
マーキングにより特定していきます。
この作業が、今後の補修工事の基本となります。

□ クラック (ひび割れ)
建物表面に発生したひび割れをクラックといいます。
コンクリートのひび割れに伴って生じるものと、仕上げ面の収縮によるもの等
いろんな状態があります。
クラックの幅にもよりますが、このまま放置すると室内への漏水の他に、
コンクリートの中性化や、雨水の浸入による鉄筋の腐食、爆裂が進行し
コンクリートに重大な影響を与える事もあります。
「中性化とは、本来アルカリ性のコンクリートが酸性側へ変わっていくこと。
酸性になると鉄筋が錆びるなどの影響があります。」

□ 爆裂
外壁のクラックから侵入した雨水等により内部の
鉄筋が酸化し腐食して体積が膨張する事により、
外側のコンクリートが押し出されて表面が崩れた
状態を言います。このまま放置すると、
コンクリートに重大な影響があるとともに
落下災害の危険もあり、早急な補修が必要です。
大規模修繕工事の話(劣化調査その2)
「劣化調査」について(その2)

タイルや仕上げ材が部分的に欠けた状態を言います。
原因は凍害、熱膨張、あるいは、物が衝突するなどが考えられます。この状態を放置しておくと、露出した部分から内部の中性化が進行し、場合によってはコンクリートやモルタルの落下による事故の可能性が出てきますので、早急な補修が必要です。

ひび割れから浸入した雨水が、セメント中の石灰などを溶かし、タイル目地などの表面に出てきて空気中の炭酸ガスと化合し、固まって白色の粉状になった
ものを「エフロレッセンス」と言います。
構造体の強度には問題ありませんが、外観上の問題があり洗浄を行います。またタイルにひび割れがあれば、タイルの貼替えを行います。

仕上げ材(塗装、タイル等)とモルタルの境界面、またはモルタルとコンクリートの境界面の接着が不良となりすき間が生じ、部分的に分離した状態のことです。
この状態を放置しておくと、タイルや仕上げ材の落下災害の危険がありますので補修を行います。
ドリルで穴をあけ、エポキシ樹脂(接着剤)を注入する等の工法を用いて境界面を安定させます。
大規模修繕工事の話(下地補修その1)
「下地補修」について
劣化調査の結果に基づいて、いよいよ下地補修工事が始まります。仕上げ材の「浮き」や
「割れ」の状態に応じて、いろんな工法で補修を行います。
これから、その工法をひとつずつ紹介していきます。
「またマンション居住者の皆さんには、この段階から騒音や振動を伴う作業が始まったり、バルコニーでの物干しに制限がかかってきます。少しうるさくて不便かと思われますが、ご自分の住む家が健全にきれいになる為ですので、施工者からの「お知らせ」等を確認して協力して進めていくことが大切です。」

□ 外壁タイルの浮き補修
(エポキシ樹脂ピンニング工法)
外壁タイルが下地のモルタルやコンクリートと接着が悪く、「浮いている」状態の時に行う補修方法です。壁に穴をあけ、その中にエポキシ樹脂(接着剤)とステンレスピンを挿入しコンクリート、モルタルとタイルを一体化させ、剥離、剥落を防止する工法です。
○ ハンマーで浮き状態を確認して、注入孔の配置を決定します。
その位置に電気ドリルで、コンクリートに孔をあけます。
この時に、電動ドリルの穿孔音と、コンクリートを伝わる振動音が
断続的に発生し、うるさく感じます。ガマン、ガマン!!

○ 孔あけ後、ブラシやブロアー等で孔内を清掃します。
↓
○ グリスホンプでエポキシ樹脂を注入孔に圧入します。

○ 直径4㎜の全ネジステンレスピン
を挿入します。
↓
○ ピン挿入後、表面をエポキシ樹脂パテで
仕上げます。
↓
○ 施工完了後、24時間養生します。
大規模修繕工事の話(下地補修その2)
「下地補修」について(その2)
下地補修は、建物表面の仕上げ材の剥離や剥落を防ぐと共に、コンクリート本体の劣化を防ぎ構造的にも健全で、また漏水等が発生しないようにする大事な作業です。
「ただ、この作業には騒音、振動や洗濯物干しの制限等を伴いますので、この作業の意味を理解した上、施工業者からの「お知らせ」等を確認して協力して進めることがマンションのためにも大切になります。」

□ 外壁タイルの「割れ補修」
外壁タイルに「ひび割れ」が入っている場合、割れているタイルを剥して新たにタイルを貼りなおします。この場合、タイルを剥した段階で、タイル下地のコンクリートにひび割れが入っている場合には、先にひび割れ補修を行います。
○ タイルを撤去する範囲をマーキングにより確定します。
↓
○ 電動サンダー等で、その範囲をカットします。
↓

○ 電動はつり機等で、タイルを撤去し、下地を確認します。
タイルのカットと撤去の時に電動工具による騒音と振動が発生します。建物の規模やタイルの貼替枚数の程度にもよりますが、1,2週間から1ヶ月程度の期間になることもあります。
↓

○ タイルの貼り戻しを行います。
↓
○ 直タイルの目地詰めを行い完了です。
大規模修繕工事の話(下地補修その3)
「下地補修」について(その3)
□ Uカットシーリング工法
外壁の塗装やタイルにひび割れが入っている場合、下地のコンクリートにもひび割れが入っている場合があります。このままにしておくと、内部への漏水の危険性はもちろんのこと、コンクリートの中性化や鉄筋が錆びることで起きる爆裂等につながりますので、建物の構造耐力上及び安全上からも、適切な補修を行う必要があります。
そのひび割れ幅が0.3㎜以上の場合に、この工法により補修を行います。

↓
○ 電動サンダー等で、ひび割れに沿ってU字型にカットします。


「プライマーとは、下地とシールを密着させるための接着剤のようなものです。」
↓
○ シーリング材を充填していきます。
「シーリング材とは、水密製や機密性を得る為に目地に充填する材料のことです。」
↓

大規模修繕工事の話(下地補修その4)
「下地補修」について(その4)
□ ポリマーセメントフィラー擦り込み工法
ひび割れ幅が0.3mm以上の場合のUカットシーリング工法に対して、ひび割れ幅が0.3mm未満の補修方法が「ポリマーセメントフィラー擦り込み工法」です。
「ポリマーセメントフィラー」とは付着強さ、耐ひび割れ性、耐衝撃性に優れ、作業性の良い高分子のセメント系材料のことです。

○ 施工する範囲をマーキングにより確定します。
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○ ひび割れに沿ってポリマーセメントフィラーを擦り込みます。
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○ 表面を樹脂モルタル等で仕上げていきます。
大規模修繕工事の話(下地補修その5)
「下地補修」について(その5)

□ 欠損・爆裂補修
クラックから雨水が侵入し、鉄筋が錆びて膨張し、仕上げを押し出した状態の補修方法です。

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○ ワイヤーブラシにより錆びた部分をケレンして、清掃します
「ケレン」とは、いわゆる下地調整で不良箇所の除去や鉄部の錆び落としのことです。
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○ 表面を樹脂モルタルで埋め戻します。
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大規模修繕工事の話(シーリングその1)
「シーリング」について(その1)
「シーリング」とは、建物の各部分の取合い箇所で、雨水の浸入を防止するものですが、
自然条件(日照、排気ガス、風雨等)によって劣化し、その機能が落ちてきます。
これが、雨漏りの原因にもなります。そこで、大規模修繕の機会に取替を行います。
シーリング材にはいろんな種類があり、建物の部位(サッシ廻り、タイル目地、金属部等)や使用目的によって使い分けを行います。

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○ 養生テープ(マスキングテープ)貼りを行います。
「シールを溝からはみ出さないようにするためです。」
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「プライマーとは、下地とシールを密着させるための接着剤のようなものです。」
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「この箇所は、シールの上から塗装するのでポリウレタン系のシーリング材を使用します。」
「このように、シールの上に塗装するかによっても、材料が変わってきます。」
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シーリング工事を行った直後は非常に軟らかいので充分に乾燥するまで触らないように注意しましょう。
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○ 養生テープを剥して終了です。
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大規模修繕工事の話(シーリングその2)
「シーリング」について(その2)
今回は、シーリングをどんな取合い箇所に施工するのか紹介していきます。

ここは、ひび割れが入りやすく雨水の浸入しやすい箇所ですのでしっかりとシールを行います。
シーリングが充分に乾燥するまで触らないように注意しましょう。

ここは、雨や台風の時に一番危険な箇所ですのでしっかりと施工します。
特に、サッシの下端は確実に行います。
「この時に、網戸の取り外しを行います。居住者の方には部屋内から網戸のビスをゆるめる等のお知らせがありますので、ご協力をお願いします。」

新築時に、階毎にコンクリートを打継いだ時の目地部分は、漏水の危険性の高い箇所です。ここも、シーリングの重要な部分です。

ここは、下地補修のところで説明した部分です。コンクリートを健全な状態にするのに重要な作業です。
大規模修繕工事の話(洗浄工事)
「洗浄」について
□ 高圧洗浄
外壁や屋根の汚れを落す作業が高圧洗浄です。高圧にした洗浄水で汚れを吹き飛ばします。この時、周囲への水の飛沫があるので、次の点を確認して行います。。

2.濯物が干されていないかを確認します。
3.窓ガラスが開いていないか確認します。
4.電気設備機器及び換気ガラリの養生状況を確認します。
4 自動車、自転車の移動または養生を確認します。
5.安全誘導員(ガードマン)の配置の必要性を確認します。
洗浄中はコンプレッサーの大きな音がします。

タイル面の汚れを落すのに薬品を使って洗浄します。
「本洗浄の前に、タイルを傷めず最大の洗浄力を得る為にテスト洗浄を行う事が大切です。」
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「薬品で周囲をいためないようにするためです。」
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○ 薬品を洗浄用ブラシで塗布します。
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○ 汚れの強固な部分はタイルパッドによる研磨並びにブラッシングを行います。
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○ 薬品が乾燥しない前に充分に水で洗い流して完了です。
大規模修繕工事の話(塗装工事その1)
「塗装工事」について(その1)
塗装工事中は、施工者からの「お知らせ」等により、施工箇所や使用制限、接触注意などの情報を確認して下さい。特に開放廊下側は玄関戸枠、PS扉等通行時に触れないように注意が必要です。

鉄部の塗装は、一般的には3~4年ごとに実施することが有効だといわれていますので、計画的に塗替えを実施し、鉄部素材を保護する事が重要です。

「ケレン」とは、いわゆる下地調整で不良箇所の除去や鉄部の錆び落としのことです。
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サビを防止するための塗料を最初に塗ります。仕上げ塗料との適正を確認します。
これからの「塗り工程」を確認するためになるべく塗料の色を変えるようにします。
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サビ止めが充分乾燥したことと、付着物がないことを確認して、仕上げ塗りの1回目(中塗り)を行います。
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中塗りの乾燥と付着物のない事を確認して、カスレやダレのないように仕上げ塗り(上塗り)を行います。
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○ 完了確認
大規模修繕工事の話(塗装工事その2)
「塗装工事」について(その2)

軒天井は、直接雨に当たることはありませんが、水分が溜まりやすい環境にあるため、透湿性の高い材料を選定する事が大事です。

下地補修及び高圧洗浄を行って、チリや汚れ等を除去します。
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軒天用の仕上げ塗装を行います。ここも、周囲への塗料の飛散を防ぐために、ローラーで行います。乾燥を確認して、2回目の塗装を行います。
この作業中は施工者からの「お知らせ」等を確認して「バルコニーの使用制限」や「ペンキ塗りたて」に注意しましょう。
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大規模修繕工事の話(塗装工事その3)
「塗装工事」について(その3)

バルコニーや外部廊下の内壁や屋外階段の壁等の塗装のことです。大規模修繕の場合は、吹付けによる塗料の飛散を避けるため、ローラーによる作業が一般的です。

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○ 下塗り
この作業中は施工者からの「お知らせ」を確認して
「バルコニーの使用制限」や「ペンキ塗りたて」に
注意しましょう。

下塗り材との適合性を確認して、仕上げ塗料を選定し、ローラーで上塗りします。乾燥を確認して2回塗りを行います。
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大規模修繕工事の話(塗装工事その4)
「塗装工事」について(その4)

大規模修繕で行う、その他の塗装について紹介します。

シングル葺き屋根の塗替え専用の塗料を用い、耐候性を高めます。下塗りの後、上塗り材を2回塗りとします。


玄関戸枠の塗装の時は、乾くまでの数時間ドアを開けたままにしないと、塗装面が傷つきますし、また枠と戸がくっついて開かなくなることがあります。そこで、防犯上から在宅が必要になります。
「施工者からのお知らせ等で、日程や乾燥時間等を確認することが大切です。一般的に週末に集中して施工することが多いようです。」

樋や隔板等も、大規模修繕の時に塗り替えます。

大規模修繕工事の話(防水工事その1の1)
「防水工事」について(その1の1)
大規模修繕工事では、工程の短縮や改修期間の仮防水の点から、既存の防水層の上に新たな防水工事を施工する事が多いようです。居住者の方には見る機会の少ない工事ですが屋上からの漏水防止にとって最も重要な工事になります。今回は「改質アスファルトシート防水(常温工法)」の絶縁工法で施工します。
「改質アスファルト」とは、アスファルトの物性を改良し耐候性、耐久性を向上させたものです。
「常温工法」とは、火や溶剤を使わず、粘着シートで貼る、煙や臭いの無い工法です。
とは言うものの、シートの融着にトーチバーナーを使います。
「絶縁工法」とは、通気層を設ける事によって防水層のふくれを抑制する工法です。

○ 防水下地を高圧洗浄し、汚れを落します。

既設防水立上りの撤去及び新規防水の工事のために撤去します。


この時に、ハツリによる騒音と振動が発生します。


大規模修繕工事の話(防水工事その1の2)
「防水工事」について(その1の2)
「改質アスファルトシート防水」の下地処理が完了したら新規の防水層の施工を行います。「平場」と「立上り部」では施工要領が違います。
□ 防水工事
「立上り部」 「平場」

●立上り部にはプライマーを塗ります。
「既存層を剥がしたコンクリート面です。」
●平場には下地活性剤を塗ります
「既存の砂付きシートの上に新規のシートを接着しやすいようにするためです。」

●立上り部は密着シートを貼ります。
●平場には1層目のシート(部分接着)を貼ります。
「シートの裏にストライプ状の溝が入っていて通気層になっています。」

●●平場、立上り部共に、2層目の砂付きシートをフクレの無いようにしっかりと貼ります。

●●トップコートを塗って完了です。

大規模修繕工事の話(防水工事その2)
「防水工事」について(その2)
ルーフバルコニーの防水を「ウレタン塗膜防水:通気緩衝工法」で行います。既存のアスファルト防水に押えコンクリート仕上げの上から重ね施工を行います。
「通気緩衝工法」とは、下地(今回は押えコンクリート)の動きをウレタン層に伝えないようするためと、下地の水分を上手く脱気させるための工法です。

○ 下地処理

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○ 第一層(通気シート)を貼ります。
裏面に通気用の溝の入ったシートです。

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大規模修繕工事の話(防水工事その3)
「防水工事」について(その3)
バルコニーの排水溝の防水を「ウレタン塗膜防水:密着工法」で行います。今回はメッシュシートを貼って仕上げます。

○ ケレン清掃の後、プライマーを塗布します。

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「メッシュシートはシートがしっかり隠れるように塗ることにより膜厚(塗り厚)を確保するために入れます。また、ウレタンの耐疲労性(伸び縮みに耐えること)を高める役目もあります。」
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ウレタン塗りの時に、多少臭いがすることがあります。
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大規模修繕工事の話(防水工事その4)
「防水工事」について(その4)
外部廊下やバルコニーの平場を防滑性長尺塩ビシート貼りを行います。「防滑性」とは表面がゴツゴツした滑りにくいシートのことです。

○ 既存シートを剥ぎ取ります。その後、ケレン清掃を行い、下地補修を行います。


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「塩ビシートと同じ材料を熱で溶かしながら融着させることです。」
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○ 完了